今回は、何もない土地に建物が完成するまでに必要な各工事・プロセスについて
書いてみたいと思います。
私自身は建設業界転職以来ずっと改修工事担当であるため、
躯体工事のことをしっかりと理解しているわけではありません。
但し、建物がどのような順番でどういった工事を経て造られているのかを
知ることは、ゼネコンの改修工事現場管理者やその他サブコンの施工管理技士にとって
覚えておいて損はないとことだと思います。
施工管理技士の国家試験にも、共通問題として躯体に関する問題や
準備工事から仕上げ工事まで一貫した工程表・チャートを読解する問題で出てきます。
①準備工事
⇒施工を始めるにあたってまず始めに行う工事を指します。
具体的には、
①現場内の不要物を伐採・撤去や、
②現場をに囲うための仮囲設置及び仮設現場事務所の建設、
③測量・BM(ベンチマーク)を決める、隣接境界線を確認する
などがあります。
直接な工事ではなく、今後の工事が滞りなく進められるために、下準備を実施する内容になります。
②山留め工事
⇒敷地内の地盤を掘削するにあたって、周りの地盤が崩れないように、
また、隣接の建物が倒れないように山留め壁を設ける工事のことを言います。
工事の影響で地盤沈下しまわないように地質や地下埋設物などを把握したうえで、
周辺部に防護する壁を設けます。
打ち方として、親杭横矢坂工法、シートパイル工法、ソイルセメント柱列壁工法、
場所打ち鉄筋コンクリート山留め壁工法などがあります。
③杭工事
⇒建物の荷重を地盤が支持できるように地中深くに杭を打設する工事のことをいいます。
杭を地面下に伸ばすことで、建物が地震や台風そのた外力に耐久できるようになります。
硬い地盤(支持層)まで到達させる「支持杭」と
杭の摩擦力で建物の荷重を支持する「摩擦杭」という種類があります。
④根切り、山留め支保工
⇒外周部に山留壁を設けたあとで行う「根切り」とは、
地下室や基礎などの地盤面より下の建築物を造るために土を掘ることをいいます。
「山留め支保工」とは、根切りした区画の外から地盤が崩れることを
防止するためにパイプサポートなどを使用し、切梁を設ける(内部を突っ張る・締め付ける)
ことをいいます。
順番として、山留工事、杭工事、根切り・山留め支保工事という順番が基本ですが、
工法によっては、山留と根切り・支保工事を同時に行ったあとで、下部の根切床に
杭を打設することもあります。
今回の記事はここまでとします。次回記事では続きの工事工程を書きます。
ご安全に!