建物が完成するまでの工事と順番の2回目となります。
私は、30代半ばで建設業界へ未経験転職した初年度は、
サブコンの某建具会社にて施工管理技士を行っていました。
基本的には、現場工区とその隣接の取り合いが分かれば問題なく施工の段取りは
つけられましたが、建物の全体像や造られるプロセスが分かっていれば、
元請会社の現場監督や他サブコン工事担当者との会話がスムーズなのになあと悩んだことがありました。
そのため、全体を分かったうえでその一部を担当していこうと、
建築の関連図書を読んだり、上司や先輩に喰らいついて聞いた記憶があります。
ざっくりでいいと思いますので、建築に携わる人なら一通り確認していきましょう。
それでは前回の続きとなります。
⑤基礎、地下躯体工事
⇒「基礎工事」は、構造物からの力を地盤に伝え、構造物を安全に支える機能
をもつ基礎を設ける工事になります。
軟弱な地盤で採用される「杭基礎」と、地盤に直接基礎を作る「直接基礎」が
あります。さらに直接基礎は、「ベタ基礎」「布基礎」「独立基礎」という
種類があります。
「地下躯体工事」は、構造部材をつくる工事のなかでも、
下構造物(地下ピットなど)や、基礎フーチングの工事のことをいいます。
尚、「逆打ち(さかうち)工法」といって、通常工法とは逆に、1階床から施工
してから、地下躯体を上階から下階へとつくりあげていく工法があります。
これは、本設の床や梁を支保工として利用するものであり、工期の短縮が
図られますが、安全性については十分に検討する必要があるものになります。
⑥地上躯体工事
⇒地上の構造部材をつくる工事になります。主要構造部である
「壁・柱・床・梁・屋根・階段」という部位をメインに、配筋工事や型枠工事、
そしてコンクリート打設工事を行うものとなります。
建物の根幹をなす部分となるため精度・品質が厳しく求められますので、
慎重に・確実にこなしていく工事となります。
ここまでが、「躯体工事」に分類されます。
ここからは、「仕上げ工事」になります。
⑦防水工事
⇒コンクリートの表面を透水係数の低い 材料で覆うことで
雨や雪などが建物内部に入り込むことを防ぐために行います。
主な種類は、「ウレタン塗膜防水」、「FRP塗膜防水」、「シート防水」、
「アスファルト防水」といったものがあります。
また、細い目地などを塞ぐ「シーリング工事」も、「防水工事」に該当します。
下地の挙動(ムーブメント)が小さい場合は3面接着(左右と下端)、
大きい場合には2面接着(左右のみ)を行います。
2面接着の場合、下端には接着を防ぐボンドブレーカーテープやバックアップ材を挿入します。
今回はこれまでとします。次回で完結します。
ご安全に!