今回で本シリーズ最終回となります。
早速、続きを書いていきたいと思います。
⑧外装工事
→その名のとおり、外を装う、つまり壁や屋根といった建物の外側
を覆い囲む部位の工事になります。
壁面に関しては、オフィス高層ビルではほとんど、「カーテンウォール(CW)」を採用しています。
これは、内部と外部の空間をカーテンのように仕切る壁のことをいいます。
第一に、現場で造るのではなく、あらかじめ工場で製作されるため、工期短縮が見込めます。
また、ハリカム構造でつくられており、デザイン性が優れています。
そして、十分な耐火・断熱・遮音性を備えており、地震や台風についても耐力を持ちます。
注意するべき特徴としては、通常の(耐力)外壁とは異なり、建物自体の荷重を
負担しない(カーテンウォール使用時は、主に「柱」や「梁」、「屋根」で支える構造)と性質があります。
尚、大枠の外装工事が完了してから、細かな隙間を埋める⑦防水工事の
シーリング工事が追加で実施されます。
漏水が起こらないように、一切の隙間をシャットアウトすることが求められます。
⑨設備工事
→建物内を快適な環境にするための工事を行います。
「電気」・「空調」・「給排水」・「ガス」・「衛生機器」・「通信」・
「防災設備」・「消火設備」などの各専門家が建物内を整備します。
複数の業者が同一エリアに混在して作業を行いがちになりやすいです。
混在作業の場合事故のリスクが増えるため、防ぐために、
毎日、作業間会議で作業エリアを「調整」した内容を「連絡」していきましょう。
⑩内装工事
→外装とは反対に、建物内部の床・壁・天井表面の仕上げする工事を指します。
最終仕上げとなるため、安全に使えるための「構造」と
見た印象も良くする「意匠」
の双方を高めることが品質管理のポイントとなります。
構造・意匠どちらかに不具合が生じている場合、是正作業を実施しますが、
隣接部位も仕上がっているため、該当箇所以外は損なわないように
手直しするが案外難しかったりします。
「ダメ補修を行ったのに、他の ダメをつくってしまった」という事態にならないように、
業者と十分に会話し、事前段取りと管理をしっかりし対応していきましょう。
内装工事・クリーニングが終わると、施主検査が実施され、
指摘事項が無かったり、是正が完了すると無事引き渡しとなります。
形に残る建物が無事引き渡され、竣工される瞬間は感慨深いものがあります。
新築以外の工事やサブコン担当者は、自分自身の工事がどういう
位置でどのような価値を出しているのか、時々分からなくなると聞きます。
今回の記事などで全体の工事や順番を理解して、
俯瞰した構造で理解できれば、同じ現場でも違ったように観察することができたり、
今の仕事の価値を再発見できたりします。
一度では覚えないと思いますので、何度も全体像を確認して覚えていってください。
ご安全に!