職人が新しく現場に入る際に、新規入場者アンケート用紙
を記入してもらい、元請業者が各項目をチェックし、
問題なければ、現場説明のあと、はじめて作業を行うことが
できる流れは前回投稿でお伝えしました。
このチェックは、作業所内の経験年数が少ない初心者現場監督
が実施することが多いのですが、重要な項目の確認を見落としたり、
曖昧にしたために、あとあと困る事態に陥ることも少なくありません。
今回は、新規入場者アンケート用紙を確認する際のポイントをお伝えします。
未経験者や初心者の現場監督、施工管理者は、一度目を通しておいてくださいね。
①年齢・経験年数
⇒年齢が、18歳未満の年少者もしくは65歳以上の高齢者であるか
確認しましょう。該当する場合には、適正配置といって、
高所作業や単独作業を制限とする現場が多いので、その旨を伝えましょう。
また、経験年数が一年未満の職人にも注意が必要です。
作業現場において、何が危険なのか、どれくらい危険なのかというのを
大抵理解しておりません。現場ルールをよく守るよう伝えたり、
単独作業や移動をしないよう指示したりしましょう。
②緊急連絡先とその電話番号
⇒現場作業中に不測の事態があった際に必要となります。
不測の場合、特に身内へお伝えするための電話番号が必要になりますが、
空欄であったり、本人の携帯電話をそのまま記入している事例が少なくありません。
必ず、本人以外の身内の連絡先を記入しているか確認していきましょう。
③血圧と持病の有無
⇒最高値・最低値が高血圧や低血圧に該当するのか、確認しましょう。
該当する場合には、無理な作業はさせられないので、
施工を補助する手元作業などに注力するよう伝えましょう。
また、高血圧はもちろん、その他心臓病や腰痛、重い疾患にかかっているか
についても確認しましょう。
この場合も、持病に応じて作業が制限されることになります。
④保険加入の有無
⇒新規アンケート用紙だけでなく、提出済の作業員名簿をみて、
健康保険・年金保険・雇用保険に加入しているか確認していきます。
健康保険と年金保険の加入は、会社として問題ないかの証明となります。
雇用保険の加入は、万が一、労働災害が発生した場合に、
医療費や休業補償の保険適用されるものとなります。必ず加入の有無を確認してください。
万が一加入がされていない場合には、原則作業に就くことは入れません。
本人のためにも、強くその旨を伝えましょう。
また、建設業では、一人親方といって会社に所属せずに個人事業主になって
いる建設業従事者が多く存在します。その場合、自分自身で各種保険に入るのですが、
事業主となるため、雇用保険には入れません。
その場合、労災保険の特別加入という制度があり、一人親方はこの保険に
加入することで、労災が発生した場合に、医療費や休業した場合の補助が
でます。
加入期限が切れている場合もありますので、
本人の自己申告だけでなく、加入証を直接提示してもらい、確認していきましょう。
大抵の職人は、財布やカードケースに収納してあります。
その他、確認項目としては、
⑤健康診断の実施日の確認
⇒(①「一般」の場合は一年以内に、
②じん肺や有機溶剤といった「特殊」の場合は、決められた期間ごとに)
⑥各種資格証の確認
⇒作業を行うにあたって、作業主任者など該当する資格証を備えているか
確認しましょう。
また作業中は、写しではなく、資格証を携帯しておくこと必要になります。
現場監督や施工管理者は、職人を安全に家に帰すために工事現場を管理するのが仕事になります。
特に工事日の初日は、大人数の職人が現場に入場するため
その枚数分処理する必要があり苦慮する経験を味わいます。
未経験者や初心者のセコカンの皆さんは、
横着せず、一つひとつ確実にチェックする習慣を身に着けることで、
基礎を積み上げ、成長していってください。