初心者の現場監督は身体で覚えよう~「安全施工サイクル」

 

今回は、「安全施工サイクル」について深堀りしたいと思います。
「建築現場での一日の流れ」ということですね。

時間ごとに実施することが決まってますので、
現場監督や施工管理技士は、各内容に対応するように
段取りなどをしていくことになります。

 
一般的には以下の順番になります。

 ① 安全朝礼
 ② 安全ミーティング(KY活動の実施)
 ③ 作業開始前点検
 ④ 安全巡視
 ⑤ 作業中の指導・監督
 ⑥ 安全工程打合わせと作業安全指示
 ⑦ 持ち場の後片付け
 ⑧ 終業時の確認・報告

 
①安全朝礼の実施
 ⇒まず建設体幹体操の実施し、身体をほぐし怪我のリスクを減らします。
  そのあとゼネコンの現場監督が朝礼を実施し、
   各業者の作業内容(特に相番箇所や作業開始順番)の確認
   危険作業箇所及び立入禁止区画の説明
   その他行事等の説明を行います。
  
  朝礼終了後、新規入場者に対して、
  作業現場ルール事項の説明を元請の現場監督が行います。

 
② 安全ミーティング(KY活動の実施)
 ⇒各専門業者(サブコン)は、朝礼後に作業班全体で
  TBM(ツールボックスミーティング)を実施
し、
  「末端の作業員」まで作業内容と注意・周知事項を伝達します。

  その後作業現場に向かい、どんな危険があるのか
  指差し呼称で危険項目を抽出し、安全の対策を図る
  という一連の現地KY活動を実施
します。
 

③ 作業開始前点検
 ⇒作業足場や仮設材、可搬式作業台や電動工具等を使用する前に、
  該当作業員は使用前点検を実施し、日々の記録に残します。

  上記建設機材は、安全が確認されて初めて使用することができます。  
 

④ 安全巡視
 ⇒元請業者の現場監督は、現場巡回を実施します。
  最低でも、午前中に1回・午後に1回、
  計2回以上は現場を回ることが一般的です。

  
  作業員は適切な保護具や道具を使用し、適正な態勢で行っているか
  開口部、端部には適正な処置や掲示が取られているか、
  危険区画には立入禁止掲示看板が貼られているか
  設備インフラ工事では不具合なく実施され、正常に復旧されているか
  外部やテナントフロアでは第三者が躓き転倒等を起こさないか・・等を
  安全面を中心に、品質や段取り(工程)も含めた施工管理事項ついて、
  各区画ごとに確認していきます。

 

⑤ 作業中の指導・監督
 ⇒④の現場巡回にて、不具合を発見した際には、
  速やかに担当業者に事実を指摘し改善するように働きかけます。

  現場巡回時に担当者がいれば、直接伝えるのがベストですが、
  不在している場合には、
  携帯電話ですぐに状況を伝え、すぐに動いてもらうことが大切です。

  分かりにくい箇所の場合には、写真で説明したり、
  一緒に現場に立ち会い説明する心掛けが求められます。
 
  もちろん、業者だけでなく、元請が実施する内容もありますので、
  確認次第迅速にに対応する習慣を持ちましょう。
 

⑥ 安全工程打合わせと作業安全指示
 ⇒午前終了か、午後開始のどちらかで
  作業間連絡調整会議を実施します。
  各業者の職長を集めて、現在の進捗状況の確認や
  今後の作業の「連絡」と「調整」を図る打ち合わせ
となります。
  詳細は以下の主に4項目を意識しましょう。
    
   ⅰ)各業者の人数・場所・作業内容・事前準備しておく仮設材等の確認
     及び安全注意事項の確認の実施
   ⅱ)危険作業実区画の立入禁止の連絡
   ⅲ)同一区画での重複作業がある場合の相番作業可否の確認と
     不可の場合の作業順番と作業開始時間の調整
   ⅳ)その他発生材搬出・一斉清掃時間、店社パトロール時間など行事などの説明

   
以上を実施することで、事故災害なく安全に作業を実施ができ、
また、作業待ち時間や手戻り作業を最小限に抑えるように取り図ります。 
会議を行わないと法令違反になる場合があります。忘れず実施していきましょう。

 

⑦ 持ち場の後片付け
 ⇒作業終了の15分ぐらい前から、
  持ち場の片付け・清掃を各サブコン業者が実施します。
  現場に資材や仮設材が残る場合には、
  動線にかからない区画にまとめるように指示しましょう。
  作業員に、「直角平行・水平垂直」を意識させことで、
  現場が安全に綺麗にまとまります。

 
⑧ 終業時の確認・報告
 ⇒サブコン各業者の報告を待ち、
  全作業終了後に元請現場監督でも最終確認と戸締りの実施します。
  終わり仕舞いとして、安全・品質状況や作業出来高状況を確認します。
 
  作業員が帰る前に、一緒に品質や片付け状況を確認し、
  是正や追加依頼をできるのがベストですが、
  元請のみで確認する場合には、現況写真を残したうえで、
  翌日の作業指示書と一緒に依頼するようにその日に段取りましょう。
 (翌日伝えようと思っていると、失念してしまって機会を失う場合があります!)
  
  また、片付け清掃状況が悪い場合にも、写真を撮り、理由を添えて
  必ず説明するようにしましょう。
  「まあいいか」、となあなあの状態にしておくと、
  次第に安全や風紀が乱れて、事故や作業員同士の衝突が発生する現場になります。
  
  
  さて、次に戸締りについてですが、鍵施錠はもちろん
  照明・空調・セキュリティー等を全て元の状態に戻しておく必要があります。

  
  ルーティン業務だと思って、安易に考えていると失念して、結果、
  ビル管理者や発注者・近隣住民に迷惑を掛け、評判を落とす羽目になります。

  責任もって、一つひとつ確実に実施していきましょう。
  

以上、一日の安全サイクルでした。

もちろん、上記のサイクルはあくまで標準的な順番・内容になっています。
現場条件に合わせてある程度変更しても良いと思います。

しかし、各項目のエッセンスを理解し押さえているか常に確認して、
抜かりなく、建設的に、現場を進めていきましょう。

ご安全に!

 

 

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