このシリーズも最後の項目になりました。
早速、今回も掘り下げていきます。
セキュリティーとは、ビル独自の入退室警備システムもしくは
セコム・アルソックといった警備会社の警報・警備システムのことを
ここではいいます。
テナントお客様がいないエリアで作業するので、
作業開始前に警報解除の対応しておき、作業が完了したら警報セットを実施します。
まず第一に、作業完了して警報のセットを失念した、というのは重大な過失になります。
万が一、それが理由で第3者がエリア内に入りこみ財布や備品を盗んだ場合、
盗難行為者はもちろんのこと、警備セットを実行しなかった元請会社の責任にもなります。
また、実際には盗難が起こっていなくても、たまたま同時期に財布や備品が見当たらない
という事態になっても、やはり元請会社の落ち度を追及され、信用が薄らぎます。
そうなると、一(イチ)工事社員が責任を負うことができる範疇を超えて、
会社同士の話合いになります。
個人に対して損害賠償が求められることはほとんどありませんが、
始末書を書いたり、社内で肩身が狭い想いをする事態になります。
必ず、終了時には警備システムは必ずセットするという対応を確実にしましょう。
それで、一筋縄ではいかないのは、実際に警備をセットした後になります。
これはビル独自の警備システムではなく、セコム・アルソックといった民間セキュリティー
に多いのですが、セットして区画内から出るまでの間に、トラブルが起こることがあります。
セット後「○秒以内でエリアから出てくださいと」とアナウンスされますが、
事前に退出経路を理解しておかないと手間取って時間内に出られないことがあります。
特に、飲食店は厨房前などの狭い箇所に警備のモデムがあり、
また消灯するための照明スイッチも離れていることが多く手間を取ります。
一連の退出行動を完全に理解できいないと、カウントダウンしていく空間のなかで
緊張感でさらに行動が鈍くなりますので、先に予行練習などして、
ブレずに行動できるように身を慣らしておいてください。
万が一、警報が鳴ってしまった場合には、すぐに解除しましょう。
警備モデムまで戻り、解除ボタンを押せば復旧されます。
また、それで終わりにせず、必ず、該当のセキュリティー会社へ事情を報告しましょう。
大抵、モデムやその近くに連絡先が載っております。
すぐに連絡して、事情を説明すれば問題ないのですが、
放置しておくとエラー表示が発生した現場に必ず警備員を派遣して調査を実施します。
「工事で入った際に誤って警報させてしまった」という事実を伝えないだけで、
事件という観点で調査されるような大ごとの事態になりかねませんので、
警報アラームを鳴らした場合には、その後の初動対応は迅速に行いましょう。
以上、見落としやすい終わり仕舞い項目シリーズでした。
当たり前のようなことなのですが、意外とこの当たり前が実践できていなく
失念や失敗をしてしまい、苦情に発展する場合もあります。
失敗を経験しないと覚えないというのも事実ですが、
特に建設業界未経験で現場監督になった方は、スタートが遅い分
極力ミスを少なくすることで、社内外の信用を集め、
任される仕事を大きくしていってください。